昨日の投稿で、「僕は心を引き締めたい時は田坂広志先生のご本を読む」というお話をしました。でも、逆に心を緩めたい時は「ブッダとシッタカブッダ(4コマ漫画)」を読みます。これをパラパラとめくると、自分の心の囚われがボロボロっと崩れ落ち、楽〜な気持ちになります。
そしてデスクの横の本棚にはそれぞれこんな風にコーナーがあって、どちらもすぐ読めるようにしています。
なぜ、そうしているのか?
それは長年、人間を研究してきてつくづく思うことが、「物事はバランス」だと思うからです。
先の「心を引き締めること」も大切だし、「心を緩めること」も大切なのです。どっちも必要で、そのバランスをとることが大事なのです。
他にも、プラス思考、ポジティブ思考、楽観思考。これらは素晴らしいですよね。人生が楽に楽しくパワフルになる大きなエンジンになります。しかし、それだけで良いのでしょうか?
そうとは思えません。実際に、投資家や債権者・関係者に多大な迷惑をかけているのに、超ポジティブで楽観思考という方々がいますが、これは困ったさんですよね。(まあご本人だけは幸せという意味では、その人には良い思考かもしれませんが・・・。)
やはり本来は、マイナスで、ネガティブで、悲観的な未来や結末もキチンと予測・想定しながら事業や仕事をして欲しいものです。
「自分らしく生きる・働く」なんていうのもそうですよね。
確かに自分らしく生きることは基本素晴らしい人生でしょう。
しかし、家族や仲間や関係者に迷惑をかけながらの「自分らしく」は、いただけませんね。
やはり人間は一人で生きているわけではないのですから、周囲の人と調和したり、協調しながら生きなければならない側面もあります。
ですから、自分の生き方が周りを困らせている時は、自分の生き方を変えなくてはいけない時かもしれないのです。そんな時、逆に一番邪魔になるのは「自分らしさ」にこだわり過ぎること・囚われることです。
「好きなこと得意なことを活かして生きる・働く」、何ていうのもそうですね。
それが出来るならば、もちろんそうであるに越したことはないのです。
でも今そう出来る環境にないならば「不得意なことでも、嫌なことでもやらなくてはいけない」のです。
かつてイチロー選手が野球少年たちにこう言っていたことがあります。
「野球を本当に上手くなりたかったら、学校の宿題とはをチャンとしようね。なぜって、野球が上手くなるためは、『嫌なこと』でもやんなきゃあいけないことって一杯あるんだよ。だから、『嫌なことでもちゃんとやる』っていう姿勢が大事なんだよ」
そうなんですよね。
でも、世の中セミナーや本を売るために、「目を引くキャッチ」が必要なので、「やりたいことだけをやれ」「嫌なことはしなくていい」「あなたらしく生きよう」「プラス思考ですべてが叶う」「楽観主義のすすめ」的な言葉やメッセージが氾濫しています。
しかもこういう言葉は耳障りが良いので、多くの人がすぐ飛びついてしまうのです。
それらを真に受けてしまった人たちが、自分の人生がグチャグチャになっていたり、周りに迷惑をかけたりしているのに、その教えを後生大事に守っているという喜悲劇が少なからずあります。
マイナスに傾きすぎるとプラスに舵をきり、プラスに傾きすぎるとマイナスに舵をきる。当たり前のことですが、これが出来るかどうかが大切なのです。
だからこそ、「物事はバランス」。つくづくそう思うのです。
皆さんは、普段「バランス」を考えて生きておられますか?
今日という1日が、皆さまにとって最幸の1日でありますように。感謝・合掌